創作にもハンドルネームにも使える!かっこいい名前の鉱物をご紹介―和名編2―
こんにちは、しょーこです。今日は翠銅鉱という鉱物について紹介します。
(出典:起源がわかる宝石大全)
まずは組成を含めた基本情報を見ていきましょう。
基本情報
英名 |
Dioptase(ダイオプテーズ) |
和名 |
翠銅鉱(すいどうこう) |
成分 |
水和ケイ酸銅 Cu6[Si6O18]・6H2O |
結晶系 |
六方晶系(ろっぽうしょうけい) |
モース硬度 |
5 |
屈折率 |
1.65から1.72 |
へき開 |
完全(3方向) |
主な産地 |
翠銅鉱は水和ケイ酸銅という、銅を含むケイ酸(ケイ素と酸素がくっついたもの)です。水和とは水分子(≠水)がなにかとくっついたものをいいます。つまりケイ酸と銅と水分子がくっついた鉱物です。
最初に発見されたとき(1785年)には、エメラルドに間違われました。
しかし『結晶学の父』と呼ばれるフランスの鉱物学者、ルネ=ジュスト・アユイ(もしくはアウイ)が、ダイオプテーズを見たときに、へき開の種類がエメラルドと違うことに気がつき、別の鉱物だと発覚しました。ちなみにアユイはアウイナイトの語源となった人物です。
六方晶系は同じ長さの3本の軸が、1つの平面上で60°で交わり、さらに3本と違う長さで垂直な軸が1つある結晶系のことです。六角柱の形をしています。
モース硬度(ひっかき傷に対しての強さ)は5で、これはガラスと同じくらいひっかき傷に強く、ナイフの刃(モース硬度5.5)よりひっかき傷に弱いです。ジュエリーに向いているのはモース硬度が7以上なので、ジュエリーには向きません。
屈折率は1.65から1.72で、カットにもよりますがネフライトより輝きがあり、天然スピネルと同じくらいの輝きがあります。
へき開(特定の方向に割れやすい性質)は完全、つまり特定の方向に沿って簡単に割れて、割れた面は均一です。特定の方向以外に割れません。ダイヤモンドやトパーズなどが同じへき開です。翠銅鉱は3つの方向に割れます。
由来や逸話
西洋名のダイオプテーズという名前はアユイが名づけました。ギリシア語の『通す』(dia)と『見える』(opazein)を組み合わせて、光に『通し』て、へき開がよく『見える』という意味で名づけられました。
和名に使われている『翠』という漢字はもえぎ色(萌葱色と萌黄色のこと)を指す漢字です。とくに萌葱(もえぎ)色は濃い黄みの緑を指します。この萌葱色はまるで翠銅鉱の色そのもので、名前にぴったりです。
管理の方法について
モース硬度が低く、へき開が3方向にもあるため、落としたりぶつけたりすると壊れる可能性があります。安定した場所で保管しましょう。
塩酸にも弱いため、洗剤や薬品で含まれているものに触ったときは、しっかり手を洗ってから触れましょう。
パワーストーンにおいての立ち位置
翠銅鉱は割れやすい・不透明が多い・大きな結晶が少ないなどの理由から加工品(ルースやビーズなど)として流通するよりも、原石のまま観賞する方が多い鉱物です。
体内の毒素を排出し、心身のバランスを整える効果があるとされています。感情の乱れを鎮め、安定させるともいわれているので、自己嫌悪に陥りやすい方や心の傷を抱えている方におすすめです。
石言葉
翠銅鉱の石言葉は『安定』です。精神的・肉体的に癒す効果があるとされている翠銅鉱に、ぴったりな石言葉です。
まとめ
翠銅鉱は美しい緑色の鉱物で、銅が含まれています。なかなか透明なものやルースなどに加工されたものは少なく、原石で観賞されることが多い鉱物です。
ネットショッピングやミネラルショーで見かけたときは、その美しい緑色を手に入れるか、ぜひ検討してみてください。
それでは。
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